某大手損害保険会社の自動車保険部門サービスセンター(SC)で働いていた時の備忘録。
仕事で得た知識を書き留めています。
自動車保険の補償内容、特約について。
交通事故の示談代行の実務について書いています。

自動車事故部門の仕事

目撃者情と示談

投稿日:2011年6月27日 更新日:

自動車保険のちょっと変わった特約をご紹介しています。
今回は「目撃者情報収集費用特約」。
この特約は、人身事故の時に証言をしてくれる目撃者を捜すため、ビラを配ったりポスターを貼ったりした費用を担保するという内容です。
適用する交通事故も人身事故、それも死亡や入院を伴う重大な事故の場合です。
この特約はひき逃げを想定してるのかな、とも思いますが、交通事故の目撃者は、示談交渉時に双方の言い分が食い違ったケースでは非常に有効です。
ただ、目撃者の証言が必ずしも自分に有利になるとは限りませんが。
私は物損担当で、人身事故は詳しくありません。
物損の交通事故の場合でも目撃者を探すことはありました。
例えば、事故状況の食い違い。
交差点での事故で、双方が「青信号だった」と主張するのはけっこうあります。「青青主張」などという用語があるくらいです。
もちろん交差する信号がどちらも青だったなんてありえません。
どちらかが嘘をついている、あるいは勘違い・思い込みをしています。
でも、なかなか客観的に証明するのは難しいです。
実際に事故現場へ行って信号の切り替わる長さや交差点の幅、ブレーキ痕、目撃者を探したりして調べたこともありました。
現場へ行くのは技術アジャスターや調査担当社員、提携している調査サービス社の人です。
一般職の物損担当者は彼らの話を聞いたり、結果をレポートにしてもらったりして示談の根拠にしました。
それと事故当時のスピードや交通量、道路状況などを加えて行くとそれなりに状況が見えてきます。見えてこない時もありましたけど。
例えば事故時のスピードから交差点を渡り切るまでの時間を割り出して、そのスピードで進行した場合と事故車の損害個所に整合性の問題がないかどうか、とか。
また、主張の食い違いの代表格としてはウィンカーを上げた、上げていなかった、というのもあります。
これは信号よりも水かけ論になりやすく、それこそ目撃者でもいない限りどちらだとも言い切れずに終わることがほとんどでした。
ちなみに私の母はウィンカーでゴタゴタした事故の目撃者になったことがあります。(笑)
ある日仕事をしていたら、隣の課の担当者がやって来て「雨音さん、雨音さんのお母さんが私の案件の目撃者になったから知らせておくね。お母さんによろしく」と言われびっくりしたのを覚えています。
こうやってたまたま目撃者がいると決着が付けられるけど、たいていはうやむやで終わりました。

冒頭の目撃者収集費用特約は、あくまで人身事故の際と限定されているので、こうした物損では使えません。
何だかすっかり特約と関係ない目撃者の話になってしまいました。
ちなみに物損の目撃者は示談の根拠程度ですが、人身事故の目撃者は犯罪の目撃者と同じような扱いになります。
警察に質問されたり、現場検証に立ち会ったりも。
いろいろと大変なようです。

特約と言うよりは目撃者のお話でした。

-自動車事故部門の仕事

関連記事

no image

交通事故 示談までの道 はじめに

「自動車保険 交通事故 示談までの道」のブログへご訪問いただき、ありがとうございます。 この記事は常に一番上に表示されるよう、日付を変えてあります。 最新の記事は一つ下からご覧下さい。 また、主だった …

no image

道路周辺の物の値段・価格、その2

自動車事故の相手物として、道路周辺の物も賠償の対象になることはひとつ前の記事でお話をしました。今回は少し補足を。 道路周辺の物、信号機や標識など公共機関が管理する物でも、壊してしまえば当然のことながら …

no image

お正月あけの交通事故ラッシュ

お正月休みも明日で終わり、という方も多いでしょうね。 交通事故の担当をやっていたころは、お正月明けが一年で最もキツい時期でした。(^^; 損保会社のお正月休みは、12月31日から1月3日まで。土日にか …

no image

人身事故の怪我での治療打ち切り通告

人身事故の交通事故でけがをして、治療を続けていると、保険会社から治療費の打ち切りを伝えられる時が来ます。 治療費の打ち切りを言われた時、しっかり完治していれば問題はないと思うのですが、そうでない場合も …

no image

示談金、保険会社基準?弁護士基準?

示談とは、「裁判によらず当事者同士の話し合いで問題を解決すること」。これは交通事故に限ったことではありません。 また示談金(損害賠償金)とは、示談で決めた金額。 交通事故で示談交渉が始まったら、当事者 …