某大手損害保険会社の自動車保険部門サービスセンター(SC)で働いていた時の備忘録。
仕事で得た知識を書き留めています。
自動車保険の補償内容、特約について。
交通事故の示談代行の実務について書いています。

自動車事故部門の仕事

自動車保険と地震の被害

投稿日:2011年5月23日 更新日:

自動車保険地震について。
自動車保険のうち、地震の被害を受けるのは自分の車です。
対人賠償や対物賠償は地震そのものでは普通は発生しませんよね。
地震で駐車していた車が動いて人を怪我させたり物を壊したりというケースはあるかもしれませんが、それは今回は横に置いておきます。
となると地震の被害で車両保険が適用されるかどうか?という問題になります。

自動車保険の約款、車両保険の「免責」の項目には、以下の損害による保険金の支払いはされない書いてあります。

  • 戦争、武力の行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動
  • 地震もしくは噴火またはこれらによる津波
  • 放射能汚染
  • (以下略)

車両保険は地震、地震による津波の被害では保険金が出ないとはっきり書かれています。
戦争や放射能に関しても、通常の自動車保険が想定する範囲を超えた巨大なリスクだから、保険は適用できないとなっています。

なお、車両保険の車対車A特約(エコノミー特約)では「騒じょうまたは労働争議に伴う暴力行為または破壊行為によって生じた損害」「台風、竜巻、洪水または高潮によって生じた損害」について保険金を支払うと書いてあります。
車対車A特約で保険金が支払われるということは、車両保険を契約している全ての自動車で保険金が支払われるということです。
暴力行為だの高潮だのと免責項目とややこしい書き方をしていますが、免責項目は免責項目、保険金が支払われるケースはケースとしっかり分けて考える必要があります。
また、一部の保険会社の自動車保険では、特約に地震の損害を補償するものがあると聞きました。
そういった地震特約が付帯されていれば有責。そうでなければ免責ということです。

地震の被災者の方々はまだ車どころではない暮らしを送ってらっしゃるかもしれません。
けれど自動車が必要になった時、上記の地震特約などというマイナーな特約をどれほどの方が契約していたでしょうか。
自動車保険は社会が通常通り機能している時に有効なのだと感じました。
反対に火災保険や地震保険は非常時にこそ役に立つ保険なのでしょう。
損害保険の意義を考えると、少々複雑な気分です。

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