某大手損害保険会社の自動車保険部門サービスセンター(SC)で働いていた時の備忘録。
仕事で得た知識を書き留めています。
自動車保険の補償内容、特約について。
交通事故の示談代行の実務について書いています。

自動車事故部門の仕事

交通事故証明書とは?

投稿日:2011年2月21日 更新日:

交通事故証明書とは、警察が発行する書類で、交通事故の発生日時・場所・当事者名、事故車の登録番号(ナンバープレートの番号)などが記載された文書です。
交通事故証明書とは、名前の通り「交通事故が確かにあったと証明する書類」です。
交通事故証明書は警察に届け出した交通事故にのみ、発行されます。請求・申請から発行までは1週間程度かかります。
交通事故証明書の発行は自動的にされるのではなく、交通事故の当事者や自動車保険会社から請求・申請があった時にはじめて発行されます。発行には料金も必要です。
料金は1通540円とのことです。(2011年2月現在調べ)
交通事故証明書の発行業務は、各地の自動車安全運転センターが行っています。
交通事故証明書の交付請求は、センターの窓口、郵送、最近ではネット上からもできるようになりました。
いずれも「交通事故証明書交付申請書」を提出して交付してもらう流れです。

交通事故証明書には「人身事故」バージョンと「物損事故」バージョンがあります。
人身事故は怪我(もちろん死亡も)があった交通事故の場合。
物損事故は怪我がなかった場合の交通事故です。
交通事故証明書にも、その旨が記されます。

交通事故証明書が必要になるのは、まず自賠責保険の請求をする場合。
自賠責保険は怪我を補償する自動車保険ですから、とうぜん人身事故になります。
ところが事故当初は怪我がないように思えても、数日経ってから痛みが出るということはけっこうあります。むちうちなどがいい例ですね。
その場合は交通事故証明書も物損事故から人身事故に切り替わります。その辺は柔軟です。
任意保険で対人保険や人身傷害保険を契約しているなら、示談代行を保険会社がやりますので、交通事故証明書の取り付けも保険会社側でします。
自賠責保険のみの場合は、自分でこれらの書類の取り寄せもしなければいけません。
その他、自治体の交通事故のお見舞い金給付を受けたり、受験や就職面接の遅刻・欠席理由に交通事故証明書を使うこともあります。
任意保険を契約している方は、自分で取り寄せる前に保険会社の方で請求していないか聞いてみましょう。
保険会社に交通事故証明書があれば写しを送付してもらえます。1週間待たなくていいし、発行費用・料金もかからず無料で済みます。
ただ、保険会社では物損事故では交通事故証明書を取り付けしないケースも多いです。その時は仕方ないということで。

交通事故証明書の記載は、当事者を甲乙と呼び、甲を加害者、乙を被害者とする書式になっていますが、正直言ってこの辺はあまり正確ではありません。
もともと警察は民事不介入の原則があります。
人身事故の刑事罰は刑事処分ですので警察の仕事範囲ですが、過失割合などは民事。
交通事故現場で警察官が一方の当事者に向かって「あんたの方が悪い」と言ったりすることもありますが、それはあくまでその場の注意であって過失割合の根拠にはなりません。
交通事故証明書の「甲乙」も同様です。
たまに過失割合とか気にしない警察官が、交通事故の現場でどちらかを悪いと言い、実際に示談を進めたら実は悪いと言われた方が過失が少ない被害者だった。ということもあります。
悪いと言われなかった当事者が「警察があっちが悪いって言ったんだから!」とヘソを曲げて示談が進まなかった時は、「警察官のあほー!」とか心の中で叫んだりもしましたが、それはそれ。
交通事故証明書はあくまで「交通事故がその場所、その時間、その当事者間で起こったと証明する書類」なので、示談とは直接は関係ない事柄も多いです。

交通事故でも物損のみの小さな損害の場合、警察に届け出ずに済ませてしまうことも多々あります。
でもそうしてしまうと交通事故証明書の発行ができません。
後々、人身事故に切り替わった時や交通事故の状況に当事者間で食い違いが出た時などのためにも、小さな事故でも警察に届けておくことをお勧めします。
そうすれば、交通事故の相手方の氏名や連絡先も分かって安心ですしね。
交通事故の事後処理や示談交渉は面倒が多いものです。最初の段階で不安材料を減らせたら、それに越したことはありませんよね。

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