某大手損害保険会社の自動車保険部門サービスセンター(SC)で働いていた時の備忘録。
仕事で得た知識を書き留めています。
自動車保険の補償内容、特約について。
交通事故の示談代行の実務について書いています。

自動車事故部門の仕事

交通事故と弁護士

投稿日:2009年3月3日 更新日:

交通事故の示談は、法律行為にあたります。
そのため、基本的に交通事故の示談は当事者同士か弁護士しか行うことができません。
保険会社の示談は「示談代行」で、法律としては例外的なことなのです。(詳しくは「弁護士法と示談代行」の記事を。
交通事故弁護士のかかわりについて、少しだけ説明してみますね。

弁護士とは、弁護士法で規定された職業で、示談、裁判など各種の法律行為を顧客から委託を受けて行う専門家です。
弁護士は、交通事故の示談のすべてにかかわることができます。
弁護士以外の人々は、弁護士法によって示談などの法律行為を行うことに規制が入っています。
交通事故弁護士に依頼するのは、たいていは保険会社や当事者同士の示談がうまく行っていない時でしょう。
訴訟、裁判となれば弁護士に依頼することになるかもしれません。
交通事故に限らず、弁護士を雇うと費用が高額になりがちです。
自動車保険の特約には「弁護士費用担保特約」という特約があって、これを契約していると保険会社から当該交通事故弁護士費用を出してもらうことができます。
また、弁護士費用特約を契約していなくても、交通事故の相手方から裁判を起こされた場合は、弁護士費用を保険会社が負担して裁判に臨むことになります。ただしこれは民事裁判に限ったことで、刑事裁判では無効です。
交通事故の示談は専門的な知識が多く要求されるため、無料で弁護士やその他法律家に相談ができる、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」といった機関もあります。(各機関の詳細については、交通事故紛争処理センター日弁連交通事故センターについての記事をどうぞ。)

では実際、交通事故の示談で弁護士に依頼をするには、どうしたらいいでしょうか。
弁護士は法律の専門家ですが、「法律」と一言に言ってもその内容は多種多様で、ひとりの弁護士がそのすべてに精通するのは不可能だと思います。
交通事故なら交通事故に詳しい弁護士を雇わないといけません。
交通事故に詳しい弁護士は、保険会社で顧問弁護士を紹介してもらうこともできますし、ネットなどで自分で探すこともできます。
交通事故弁護士の専門分野としてはメジャーなものですので、「交通事故弁護士」をうたっているところは多いです。
交通事故では死亡や高度な後遺障害では、数千万円から数億円という巨額のお金が動き、弁護士の報酬も大きなものになるからです。
交通事故弁護士の費用は、基本は着手金・報酬・実費にわかれています。
弁護士の費用、実費は裁判の際、訴状に貼る印紙の代金や郵送費など。
弁護士の費用で着手金と報酬は、交通事故の損害賠償として請求する金額の3~8%程度、報酬は実際に回収できた金額の6~16%程度とされています。
交通事故の裁判でも請求額と回収金はイコールにならない方が多いと思います。請求額が妥当か審査がありますし、請求された側も弁護士を雇って金額を減らそうとするでしょうから。

交通事故弁護士を頼む際、注意しておきたいのが、弁護士の報酬に結びつく請求額です。
交通事故の後遺障害などでも、等級が低ければ請求金額も数十万円程度に留まるケースも多く、そうなると弁護士の報酬も低くなり、依頼を受けたがらない弁護士もけっこういるからです。
そういう場合は少額訴訟などの手段も視野に入れて、ご自分で手続きをするか、弁護士よりは敷居の低い行政書士などに依頼する手もあります。(少額訴訟についてはこちら。
弁護士以外の行政書士、司法書士については、また別の記事にて書こうと思います。
交通事故弁護士も最近では、初回の相談は無料だったり着手金が不要で実際に回収した金額から報酬だけでOKと言っている弁護士もいます。
交通事故弁護士のサイトもたくさんありますので、色々と探してみることをお勧めします。
弁護士のサイトには交通事故の示談に関する情報も書いてありますから、それも参考になると思います。
交通事故の示談は被害者も加害者も、公正で適切な賠償や補償を受けることが本当の目的です。
交通事故弁護士を頼むのも、その手段のひとつです。
交通事故の被害について、ご自分にとって何のためにどのくらいの金額が必要かをよく考え、相場とされている金額と照らし合わせてみて下さいね。
交通事故の示談を面倒事を避けるために妥協するのも、悪いこととは言えません。ただ、後悔なさらないよう、交通事故関連の知識はある程度身につけておいた方がいいと思います。
交通事故で苦しむ人が減るように、苦しみが軽くなるようにと、交通事故の担当者をやっていた時も、今も、そう思っています。

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