某大手損害保険会社の自動車保険部門サービスセンター(SC)で働いていた時の備忘録。
仕事で得た知識を書き留めています。
自動車保険の補償内容、特約について。
交通事故の示談代行の実務について書いています。

自動車事故部門の仕事

スリップ事故の過失割合について

投稿日:2008年12月11日 更新日:

スリップ事故についての概要というかあらましというか、とにかく雪国の人間には路面凍結は怖いことです、というような話は前の記事にてさせていただきました。
スリップ事故は単独(自損)事故ですらスゴイ動きでわけわからなくなるので、過失割合が発生するような交通事故であればなおのことです。
これは書こうかどうかちょっと迷ったことなのですが。
スリップ事故の過失割合に関しては、判例タイムズが根拠ではないのです。
というのも、判例タイムズはあくまで全国的な交通事故の裁判例、判例の代表的な判例を蓄積させた本。
スリップ事故なんていう、雪国の冬だけに起こる、しかもかなりケースバイケースな交通事故までは、判例タイムズには掲載されていないのです。
スリップ事故の過失割合については、各損保会社が独自に社内基準を作っているのが現状です。
スリップ事故の一例を紹介しましょう。
形としては追突事故です。
道路を走行していた自動車がスリップをして、ほとんど180度回転し道路をふさぐような形でやっと止まりました。
で、後続の自動車もブレーキがスリップのため効きが悪く、追突してしまいました。
普通の追突事故であれば、基本的には後続車に100%の過失が出ますし、前の自動車に正当な理由のないブレーキがあっても、前車30:後続車70の過失割合です。
ところが、上記のようなスリップ事故のケースでは、「道路をふさいでしまった」という点が道交法でいうところの他の自動車の走行を妨げてはならない、的なところに引っ掛かり、前の自動車の方が過失が大きくなる。そんな理屈です。
書いていて自分でもすごいアバウトな説明だと思うのですが、スリップ事故は本当にもう、どうしたものやらなんです。
普通の交通事故であれば損害保険会社、共通で判例タイムズに根拠を置くけど(それでも示談、もめるときはもめるけど)、スリップ事故の根拠は損保会社の社内ガイドラインですからねぇ・・・・。
交通事故の損害額自体はそれほど大きくなくとも、過失割合の認定について色々と困ったことになりがちでした。

最後はほとんど愚痴になりました(苦笑)
今年も降る雪を見るにつけ、現役の担当者として頑張っているかつての同僚たちは、大変な時期に入ったなあと考えていたのでした。

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